網羅型第3回第5問

直接原価計算ですね。

前回出題されたので、大丈夫な気もしますが、試験とは別に、日商簿記2級で一番マスターしていただきたいなぁと思うのが直接原価計算なので、普段どおり、解説を書かせていただきます。

 

ちなみに、前回の試験時にご質問を受けて、解説を書かせていただいたので、そちらの図を使って、解説は少しアレンジします。

 

その質問をしてくれた高校生の子は、直接原価計算が大の苦手だったそうですが、この図で説明をしたら、その後、直接原価計算が得意になったそうで、前回の試験も、直接原価計算の問題は20点満点だったそうです。

 

直接は一番怪しいと思っていたので、試験の前日、みんチャレにも出題しましたが、みんチャレの方が、やられたかどうかは不明です。(;^_^A

高校生の子は、素直にやってくれたようで、その日の内に、一部、質問が来ましたが、説明したら納得できたようでした。

損益分岐点分析の図を理解しよう!

この図は、自分が2級を学習していたとき(30代)に、公式丸暗記は苦手なので、何とか図を描いて解けないものかと考えて描いてみたものです。

その数年後に、同じ図(変動費と固定費が上下逆になっているだけ)を中小企業診断士のテキストで見かけたので、自分の図も強ち間違いじゃなかったのだと…。

 

上の図の描き方です。

説明を読みながら、手を動かしてくださいね。

  1. X軸とY軸を描きます。
  2. 0の地点から45度程度の傾きで売上高の線を描きます。(青い線)
    角度は適当で良いですが、まあ、正比例ですからね。(笑)
    単価が分かっていれば、その線の傾きに売上単価も入れます。
  3. 続いて、私の場合は、固定費の線を描きます。(X軸と平行な赤い線)
    固定費は売上高が0でも100でも同じなので、平行線になります。
    固定費の金額もメモします。
  4. 続いて、固定費の線の位置を切片として、変動費の線を描きます。
    斜めの赤い線です。
    売上高同様に、変動費の単価が分かっていれば、傾きに入れます。
  5. 収益の青い線と費用の赤い線が交わる位置が、企業にとって、損でも益でもない地点、つまり、損益分岐点です。(営業利益が0の地点です)
    X地点なので、Xとメモをします。
  6. 後は、売上高や変動費や当期の販売個数など分かっている数値を、図に書き入れます。営業利益は、収益と費用の差額なので、計算して書き込みます。

下の図は、より分かりやすいように、収益と費用を分解したものです。

この図は、描く必要はありません。(;^_^A

 

 

固定費の線と変動費の線は、上下どちらに書いても同じ結果になります。

 

費用は、「変動費」、「固定費」という分類の仕方のほかに、実は、「準変動費」とか「準固定費」と言われるものもあります。

 

「準変動費」の具体例は、電気料金です。

電気料金は、使用量が0でも100でも、基本料金(固定費)が掛かります。

それに、使用量に応じた料金(変動費)が加算されます。

そのため、準変動費に該当します。

2級の学習範囲の「高低点法」が、正にこれを利用している訳ですね。

 

この考え方で行くと、自分の場合は、0でも一定額が掛かる基本料金と同様に、売上高が0でも一定額が掛かる固定費を下に描くほうが納得が行くので、中小企業診断士のテキストを見てからも、この図を描くようにしています。

これは、どちらでも、皆さんが分かりやすいほうで描かれれば良いと思います。

 

昔、専門学校の講師時代に、職員室で学生に損益分岐点分析について質問を受け、この図を描いて説明をしていたら、中小企業診断士の先生が、「変動費を下に描いたほうが分かるんですよ」と口を挟まれましたが、「ありがとうございます」とだけ答えて、こちらで説明しました。(;^_^A

学生も、こちらの方が理解しやすいと言っていました。

 

図が描けたら、計算を始めよう!

図を描いたら、計算を始めます。

(1)変動費率

変動費と売上高との比なので、700と1,000だけでもすぐにわかるかと思います。

 

(2)貢献利益額

売上高-変動費

用語の意味さえ理解していれば、すぐに求められます。

 

(3)営業利益額

既に、図に載っています。

 

(4)損益分岐点売上高

Y=1000X(売上高の線)

Y=700X+3,000,000(費用の線)

これを解きます。

1,000X=700X+3,000,000

300X=3,000,000

X=10,000

Y=1,000×10,000

 

(5)損益分岐点の販売量

上で求めたXの値です。

 

(6)安全余裕率

これも、用語を理解する必要があります。

当期の売上高から損益分岐点の売上高を引いたもの(余裕分)と、当期の売上高との比です。

割り切れないから、小数点以下切り上げの指示があります。

 

 

(7)~(10)は条件を省略しています。

 

(7)目標利益1.5倍の販売量

目標利益は、固定費とみなして計算を行います。

1,000X=700X+3,000,0001,500,000×1.5

300X=5,250,000

X=17,500

 

(8)及び(9)目標利益達成のための原価の引き下げ

2,250,000-1,500,000=750,000

変動費で調整しても固定費で調整しても同じなので、(8)も(9)も同じ金額

 

(10)目標利益達成のための販売単価の引き上げ

引き上げ後の販売単価をXとすると、

15,000X=700×15,000+3,000,000+2,250,000

15,000X=15,750,000

X=1,050

 

こんな感じになります。(*^^*)

明日が休みだと思って、遅くなってしまった~!

 

 

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