仕訳をパターンで覚えていませんか?

こんばんは。(^^♪

以前から気になっていたことがあるので、昔話を書かせていただきます。

 

昔、専門学校の講師時代に、ある学科の1年生の2クラスを私と別の先生がそれぞれに担当していました。

 

幸い、私の担当の合格率が良いということで、2年生になったときに、「是非、2級を合格させて欲しい」と学校側から依頼を受けて、3級が合格した学生たちを合わせたようなクラスを担当させていただくことになりました。

 

初日の授業で、仕訳の解説を始めたときに、「〇〇は資産で、資産が増えたから借方だよね?」みたいな話を始めたら、別の先生の担当クラスからの学生たちが、一斉に「資産って何?」「借方って何?」と言い出したのです。

 

私の授業は、「資産と費用は増えたら借方」と呪文みたいに唱えておきなさい。

というほど徹底していたので、私が担当していたクラスから上がって来た学生は、「え~!?資産も分からんの~?」みたいな感じで驚いていました。

 

その先生に念のために確認をさせていただいたら、「簿記はパターンで覚えたら簡単でしょう?だから、パターンで教えていますよ。」とおっしゃったのです。

 

でも、仮に、履歴書に「日商簿記〇級合格」と書いたとしても、企業に入って、資産が何か、負債が何かも分からないでは、簿記を学習したとは言えません。

 

 

今、3級を学習されている方で、もし、パターンで覚えておられる方があったら、是非、早急に、これは資産だから、と理屈で考える方法に直してください。

先ずは、この勘定科目は、資産か負債か純資産か費用か収益かどのグループに属するか?を確認してください。

 

資産は、「財貨と債権(〇〇してもらう権利)」って覚えて!

「財」は企業の財産ね。

(あなたの財産は何?車とか家とか…。)

「貨」っていうのは、貨幣とか貨幣同等物のことで、現金とか預金だよ。

「債権」というのは、〇〇してもらう権利だけど、

例えば、売掛金なら商品をツケで売ってるのだから、後で代金を受け取る権利があるでしょう? 

貸付金なら、お金を貸してあるのだから、後で返してもらう権利があるでしょう? 

前払金なら、商品を受け取る前に支払ったお金だから、後で商品を受け取る権利があるでしょう?

みたいな…。(授業再現(;^_^A)

 

負債は、〇〇しなければならない義務で、売掛金の反対の立場の買掛金とか、貸付金の反対の立場の借入金とか、前払金の反対の立場の前受金とか、逆の立場を考えればわかるよね?

 

とまあ、こんな感じで5つのグループを理解してください。

 

次に「資産と費用は増えたら借方」、これは、呪文のように唱えてでも絶対に覚えてください。

「資産と費用が増えたら借方」ということは、資産と費用は減ったら貸方です。

「資産と費用が増えたら借方」ということは、残りの3つの負債と純資産と収益は増えたら貸方で、減ったら借方です。

 

そうすると、これは資産だからとか、これは負債だからとか、増えたから、減ったからと考えながら仕訳ができます。

簿記は、本当に理に適っていて、そんな風に理屈で考えて解けば、とても面白い教科なのです。

 

 

幸い、その学生たちも、しばらく、そういう指導をしつこく続けていたら、慣れてきてくれて、無事に2級も合格してくれました。

普段の年の10倍くらい合格したらしいです。(^^)v

 

 

1回だけではなく、何回か貸借逆仕訳をしてしまうという人は、これが、完全に理解できていないと思われます。

ケアレスミスで片付けていては、決していけないことです。

そのまま進んでも力は付いて行きません。 

 

 

2級で出題される全ての科目のグループ分けができますか?

2級学習中の方で、もし、貸借逆仕訳をしてしまう人は、仕訳の問題を解く前に、2級の勘定科目の全てについて、これは、どのグループに属するか?(資産か負債か純資産か費用か収益かということ)を先に確認してください。

 

 

それが理解できていないのに、正しい仕訳はできません。

第1問は20点満点を目指す必要があります。

そして、仕訳は、第2問や第3問にも関わってきます。

 

今の段階は、スピードばかりを追い求めるより、そういうい弱点がある方は、それをまず徹底していただいたほうが、格段に力が付きます。

 

「いや、自分は分かっています」と思われているかも知れませんが、念のため、すべての科目について、どのグループに属するか確認をしてみてください。

 

 

 

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